下記の文章は38才ごろ、ある勉強会でいただいた資料です。
どの方の文章か分かりませんが、何故か35年以上たっても捨てられずに私の手元にあります。
自分を知る一感性を大切に！
大変失礼な言い方で恐縮であるが、世間的に著名な人に案外教養のある人が少ない。教養があるということは、教育を受けたとか、頭がいいとか、物知りとは無関係である。その人に教養があるかないかは難しい説明を要しない。会ってみればすぐわかる。話してみればなおよくわかる。
教養人とは、会って、わかれて、会えてよかったと感ずる人である。邂逅の喜びを感じさせる人である。人は人の付きあいによって生きており、人と人を結ぶものは言葉である。一日を振り返ってみると、ずいぶんいろいろな対話をしていることになる。その対話を通じて、自分がすがすがしい気分になったとか、なんだか豊かになったようだとか、何か考えさせられたとかいう経験をお持ちかどうか、そういう体験を与えてくれる相手が教養のある人である。
知恵や知識をひけらかしたり、自分の体験の押し売りのような態度に教養は感じられない。恐らく教養は生死の問題をじっくり考え、人生の意味を社会における個人の位置づけを謙虚に知った人格からにじみ出るものであろう。
教養人の言葉は美しい。美しさは形あるものだけにあるのではない。人間のあり方にも、友情にも、美しさを感じない人はたぶん教養のない人だと思う。
※邂逅：巡り合うこと
認定NPO法人「子ども未来」代表理事 辻本加平
