金持ちは幸せになれない
「幸せは守るものではない、拡げるもの」という言葉が好きです。お金持ちの皆さん、貯め込まないで下さい。天国に持って行けません。子どもに財産を残しても、子ども達の生きる力を奪うかもしれません。親から沢山の遺産をもらって、それに頼って生きる力を失くした人を何人も見て来ました。金持ちの子どもは不幸かも?です。
世界的なベストセラー、アンドリューカーネギー著「富の福音」をご存知でしょうか。文中「今の世の中を見ていると、お金を儲ける事ばかりに力を注がれており、生きたお金の使い方まで意識が及んでいない」と書かれています。自分の幸せだけを考えれば全てが満たされる時代は終わり、人の幸せのために自分は何が出来るかを問われる時代が来ています。
私は「子ども食堂」、「認定NPO法人『子ども未来』」を立ち上げました。自分でも出資をしていますが、多くの方から温かいサポートをいただいています。余裕のある方々は会社から又は個人で毎月10,000円。毎月1,000円を頂戴している方もたくさんおられます。「会社の利益が出たから振り込みました」という嬉しいメールもいただきます。皆様の善意、とてもありがたいです。親の「経済格差」が子どもの「幸せ格差」になる現状にくさびを打ちます。でも毎年、毎年寄付集めは大変です。
全国のボランティア活動をされている皆様も私と同様、運営の継続に苦心しています。テレビコマーシャルもやっておられる有名なところは組織が大きくなり、聞くところによると寄付額の9割ぐらいは人件費、運営費に必要。残り1割前後しか子ども達に届いていないようです。
私の好きな言葉の一つに「片隅を照らす、これ国の宝なり」があります。皆で片隅に光を当てたら、この国はもっと明るくなります。ボランティア活動を「美談」と考えがちですが、役に立ちたいという気持ちは、人間、誰もが持って生まれた「本能」です。だから良い事をすれば、脳は喜びます。
私達夫婦は残念ながら子どもに恵まれませんでした。遺言状を書いて全額を認定NPO法人「子ども未来」に寄付します。子どもさんがおられる方は、財産の10分の1、いや100分の1でもボランティア団体に遺贈していただくとありがたいです。生前贈与も大歓迎。
人生でそこそこ成功された金持ちの皆様、貯め込まないで、ご恩返しをお願いします。地域で活躍されているボランティアの方々のサポートを。日本の昔からの言葉に「徳を積む」があります。親の徳が子どもの人生を輝かせます。財産を残すのではなく、生き方を教えてあげて下さい。キーワードは「利己の心」を減らし「利他の心」を増やすことです。
認定NPO法人「子ども未来」代表理事 辻本加平