子どもたちの未来 ~子ども達の未来に必要なものは何か~
2024年12月21日(土)近畿大学東大阪キャンパスにて「子どもは未来」※(NPO法人申請中)主催のシンポジウムに
代表理事の辻本と、専務理事の本田が登壇させて頂きましたので内容をご紹介させて頂きます。※子ども未来とは異なる団体です。
子ども未来からのテーマは「子ども未来の活動から分かったひとり親の現状について」
代表理事の辻本からは運営している子ども食堂での出来事や、定期面談で感じたひとり親家庭の現状について話をさせて頂きました。
ある日、2階建ての子ども食堂の中を子ども達が走り回っていました。お母さんから「大丈夫ですか?危ないですよ」と言われた時に私はこう言いました。「ケガしてなんぼの世界やと思いますよ。」
私にはこんな考えがありました。もともと子ども食堂を始める時に「子ども達が自分で考えて自分で行動する。そんな解放区にしたい。」そして「室内=騒いではいけない」こういった周囲からの同調圧力、「あたりまえ」という考え方は思考が止まり自分で考え無くなる事なのです。
子ども食堂の他に、認定NPO法人子ども未来の活動として、貧困で塾に行けない子ども達へ塾代の一部を支援させて頂いており、高校生になると使い道は限定せず年間で10万円の支援をしています。塾費用に充てる子もいますし、大学の入学費用にと貯金をしている子もいます。
子ども未来では、お母さんと子ども達と年3回の面談を行っています。「支援を受けているから行かなくてはならない」のではなく「行きたくなるような面談」を心掛けています。お母さんには仕事を休んでまで来てもらうのも忍びないと交通費として2000円を一家庭にお渡ししているのですがとある家庭ではその2000円が唯一の外食費。つまり、面談がある年に3回だけファーストフード店で食べる特別な日になるそうです。
また、「習い事で子どもの級が上がるにつれて費用が上がるので素直に喜べない」そんな自分に気づき悲しみを訴えるお母さんもおられました。
自己実現という言葉がありますが私が大切にしている考え方は「自分が人生に求めるものではなく、人生が自分を求めている」ということです。幸せとは何かを考えた時、「自分が社会から何を求められているのかそれを実現するのが最高の幸せではないか」と考えます。自己実現を超えた欲望という意味で自己超越という考え方も出てきています。自分をどう超えていくかといくことです。
「今だけ、自分だけ、お金だけ」と損得勘定だけで動いている人の人生は上手くいかないし、そのような人とは友達にもなりたくないと思います。子ども達にも「今はいろいろな人たちから寄付を貰っているけれども、将来いつの日か今度は子ども達をサポートできるような大人になるように」と伝えています。
今後は不登校児、発達障害の子ども達の居場所を作ろうと考えていますので応援よろしくお願い致します。
専務理事の本田からは子ども未来の活動の詳細とエピソードを伝えさせて頂きました。
子ども未来で行っているひとり親家庭へ支援内容をご紹介させて頂きます。
- 塾代支援 塾代支援は4割負担で塾に通える仕組みづくりです。最大手の学習塾と提携し、現在28名の子どものサポートを行っています。年に3回学期ごとに面談を行ってるのですが、改めて面談の重要さに気づかされています。面談では普段のがんばりを聞かせてもらったり、がんばらない子に対しては責めないようにしています。成長過程においてそのような時期もあります。来た時よりも笑顔になって帰ってもらいたいという気持ちで現在までのべ400名、200時間の面談を行ってきました。面談をする中で感じた事はひとり親が相談する相手がなかなかいない事。私たちに話すだけでも楽になる場所でありたいという事です。今ではお母さんや子どもの支えになり、なくてはならない場所になっていると感じています。海外から来た子どももいますが、たった数年でとても素晴らしい成績を出して周囲は驚いています。
- 卒業パーティー 卒業パーティーでは支援者の方々に子ども達の成長と卒業の喜びを分かち合っていただき、子ども達も自分たちがこれだけの人に支援して頂いている事を知る機会となっています。子ども達だけでなくお母さん達に現状を話して頂く機会も設けました。それをきっかけに今回のシンポジウムに協賛いただいているレオ財団理事長の橘様がお母さん達の為のレオ財団基金を設立してくださり、その基金を利用して働きながら看護学校や通信大学へ通いスキルアップをしているお母さん達がいます。
- 学習塾 専務理事の本田は「学習塾ピース」という学習塾も堺東で運営しています。自主性を重んじており、授業開始前には「賢者の書」「生き方の教科書」を音読、ワークシートを使って感想を書くことで、分からない言葉の勉強、感想、決意を授業の開始にし、ディスカッションして始めることで自身の文章力はもちろん自分がどう感じているのかを身に付けることができます。その結果、テストで合計点が496点、五木模試5科目偏差値68点にアップ、11月から入塾志望中学校に合格教室に入れなかった生徒が救急救命士を目指して猛勉強開始等、学力だけでなく人間力がついてくる子ども達がいます。
- お金の勉強会 子ども未来を応援してくださっているファイナンシャルプランナーさんにボランティアでお母さん達向けのお金の勉強会を定期的に開催して頂いています。家計の事や保険の事などプライバシーもあるので誰に聞いて良いのかわからないというお母さん達に人気です。参加されたお母さん達からは「具体的な対策が分かって不安が少なくなった」と好評です。
- ママカフェ 毎月1回、オンラインでお母さん達が集まって子どもの悩みや雑談をする機会を設けています。ちょっとした話題で盛り上がることもありお母さんの憩いの場となっています。
これらの活動を続けてきてわかったのはお母さん方が少しでも気持ちが安らぐことで子どもの笑顔は確実に増えているということです。笑顔の家庭がひとつでも多くなるよう今後も活動を続けて行きたいと思いますので応援よろしくお願い致します。
参加者の皆様の中からは「なるほど。これは、本当にすごい活動だ!」という声も聞こえてきました。子ども未来の活動をお伝えすることができ、また子ども達の支援という同じ目標に向かって一緒に活動をがんばれる方々とお会いすることができ、とても充実した機会となりました。